にんにくの健康効果を<4つの効能>と<17の効果>にまとめてご紹介するのがこのサイトです。にんにくの効果や効能には実に様々なものがあります。
そしてあまり知られていませんが、にんにくの効果や効能は調理方法や調理時間、熟成・発酵などによって異なってくるという特徴もあります。
一方、にんにくは強い作用を持つため、利用方法を間違えると健康を害する場合があります。にんにくの効果を期待する場合は必ずこちらの注意点も併せてお読みください。また、基本的な情報を詳しく知りたい場合はこちらをご覧ください。
にんにくの効能の歴史
にんにくの効果や効能は実に六千年前より知られており、エジプトをはじめギリシャ、ローマ、インド、中国などの古代文明ではにんにくが食用・薬用として重宝されていたことが分かっています。日本でも「古事記」に登場しています。
これらの時代には成分を分析する技術などありませんから、体感的にニンニクが体に良いということを実感していたのでしょう。このことはにんにくの効能の本質を表しています。
にんにくと言えば「元気が出る食べ物」といったイメージがあると思いますが、にんにくの効果や効能はそれだけではありません。にんにくの効果や効能は非常に幅広く、そのため様々な民間療法に利用されています。
効能・効果の素となる成分
にんにくにの効果・効能の中心となるのはアリシンを中心とするイオウ化合物です。これらはあのにんにくの強烈なニオイの素でもあります。
ただし、元々のにんにくにはアリシン等は含まれていません。にんにくに含まれているのはアリインという成分で、にんにくを切ったりすりおろしたりするとこのアリインにアリナーゼという酵素が反応し、アリシンに変化するのです。
更にこのアリシンは不安定な物質なため、空気や熱、その他の物質の影響によって更に変化します。それがジアリルジスルフィド、アホエンといったイオウ化合物で、その数は数十種類に及ぶと言われます。
これらのイオウ化合物はそれぞれアリシンとは若干異なる性質を持っています。それがニンニクの多様な効果・効能を生み出していると言えます。
では、具体的ににんにくにはどんな効果や効能があるのでしょうか?
にんにくに期待できる基本的な4つの効能
にんにくには基本的な4つの強力な効能があり、それらが様々な間接的な効果に繋がっています。にんにくの基本的な効能とは次のものです。
抗菌、殺菌および解毒を行う効能
にんにくには強力な抗菌・殺菌、解毒作用があります。これはにんにくのニオイの元であるアリシンという成分によるものです。
にんにくの殺菌作用がどのくらい強力かと言うと、にんにくの精油を12万倍に薄めてもチフス菌やコレラ菌を殺すと言われる程です。この抗菌・殺菌作用が様々な病気から体を守ります。
アリシンは調理過程において他の成分に変化してしまうのですが、変化してできるイオウ化合物にも抗菌・殺菌力はあります。
ただし、アリシンの抗菌・殺菌力が一番強力ですので、強力な抗菌・殺菌力を求めるのであれば生ニンニクをすりおろしたものを使うのがお勧めです。
ビタミンB1の吸収を高める効能
にんにくが疲労回復や滋養強壮に効果的なのは、にんにくにビタミンB1の吸収率を高めたり、ビタミンB1を貯蔵できる形に変える効能があることと大きな関係があります。
ビタミンB1は糖質のエネルギー代謝に欠かせない補酵素で、言わば元気促進ビタミンなのです。しかし、ビタミンB1は吸収率が低く、大量に摂取しても一度に5~10mg程度しか吸収されません。あとは排出されてしまうのです。
にんにくから生成されるアリシンはビタミンB1と結びつくことによってアリチアミンという物質に変化します。アリチアミンはビタミンB1の吸収率を高めるだけでなく、余分なビタミンを体内に貯蔵する働きがあります。この性質を利用したのが栄養剤で有名な「アリナミン」なのです。
血栓を作りにくくする効能
にんにくにを食べると心臓病のリスクが減ると言われることがありますが、それはにんにくの持つ血栓を作りにくくする効能が大きく関係しています。
血栓は止血などに欠かせない要素ですが、過剰になると血管を詰まらせ心筋梗塞や脳梗塞などに繋がる血管系疾患の原因となります。
血栓は主に血小板が集まってできますが、これを血小板凝集作用と言います。にんにくに含まれるチルアリルトリスルフィド、アホエンといった数種類のイオウ化合物にはこの血小板凝集作用を抑制する働きがあることが分かっています。
この血栓を作りにくくする効能はにんにくにおける血流促進、高血圧抑制、血管系疾患予防などの効果のベースとなっています。
活性酸素を除去する効能
にんにくには活性酸素を除去する抗酸化作用があることもよく知られています。活性酸素とは様々な病気や老化の原因とされる一種の有害物質です。
抗酸化作用を持つ物質としてはビタミンCやビタミンE、ポリフェノール類が有名です。にんにくにもα-トコフェロールといったビタミンEが含まれていますが、にんにくにはアリシン、アホエンなどのイオウ化合物を中心に実に15種類以上の抗酸化物質が含まれていると言われています。
それらの相乗効果によって生み出されるにんにくの強力な抗酸化作用はガン予防、動脈硬化予防、疲労回復、アンチエイジングなど色々なにんにくの効果の要素になっていると考えられます。
にんにくに期待できる17の効果
にんにくには前述した基本的な4つの効能に加えその他にも複数の効能があり、それらにより期待できる効果が数多くあります。ここではその中から代表的なものを以下の<17>にまとめてご紹介します。
- 疲労回復 効果
- 風邪・インフルエンザ 予防効果
- コレステロール 低下・抑制効果
- 血液サラサラ(血流促進)効果
- 高血圧 予防・改善効果
- 動脈硬化 予防・改善効果
- 冷え性 改善効果
- 食欲増進・食欲不振 改善効果
- 消化促進・消化不良 改善効果
- 便秘・下痢 予防・解消効果
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍 予防効果
- 食中毒 予防効果
- 肝機能強化・肝臓障害 改善効果
- 二日酔い 予防・改善効果
- 癌(ガン) 予防・抑制効果
- アンチエイジング(老化防止) 効果
- 糖尿病 予防・改善効果
ここで紹介するものはにんにくの品質、調理方法、他の成分との兼ね合い、そしてその人の体質などに大きく左右されるため必ずしも効果が得られるものではありません。しかし、論理的もしくは過去の研究報告などから比較的効果が期待できるものを選んでいます。
それぞれの効果を詳しくご説明します。
疲労回復効果
にんにくと言えば疲労回復や滋養強壮といった「元気が出る!」というイメージがあるのではないでしょうか?事実、にんにくには疲労回復の要素が沢山あります。
疲労回復の中心となる効能は前述したビタミンB1の吸収を高める効能です。この効能によって疲労回復ビタミンと言われるビタミンB1の吸収を促すだけでなく、血液中に貯蔵できるようにすることで疲労回復に必要なエネルギーを効率よく、そして持続的に生産することができるようになります。
また、にんにくの抗酸化作用、抗菌・殺菌作用は外部の有害物質を排除する効能があり、これらも疲労回復に大きく役立ちます。有害物質は私達が思っている以上に疲労の原因となっているのです。
さらに、にんにくに含まれるアリシンの抗血栓作用とスコルジニンによる末梢血管拡張作用などにより血流が良くなることも疲労回復効果を促進します。
風邪・インフルエンザ予防効果
にんにくを食べると風邪をひかないと言われます。これはニンニクの抗ウイルス作用によるものです。にんにくに含まれる有効成分のアリシンには殺菌、抗菌作用がありますが、それと同様に抗ウイルス作用もあるとされます。
この抗ウイルス作用は風邪だけでなくインフルエンザにも効果があるとされ、そのことは数々の研究報告により実証されています。この風邪やインフルエンザに対する効果は人間だけでなく動物にも有効で、牛の餌には風邪予防のためにニンニクが含まれていることがあります。
また、風邪やインフルエンザに対する効果は治療よりも予防効果の方が優れています。風邪の季節は継続的ににんにくを摂れば風邪やインフルエンザを防げるかもしれません。
コレステロール低下・抑制効果
コレステロールは生活習慣病の大きな要因とも言えますが、にんにくにはこのコレステロール(特にLDLコレステロール)を減らす効果があるとされます。
にんにくがコレステロールを減らす研究報告はいくつかありますが、そこで示唆される仕組みは主に次に2つにまとめられます。
一つ目は「コレステロールの合成に必要な補酵素(HMG‐CoA合成酵素等)の作用を妨げ、コレステロールの生成を抑制する」。二つ目は「胆汁へのコレステロール排出を促進することで血中のコレステロールを減らす」というものです。
いずれの作用もにんにくの有効成分であるイオウ化合物によるものとされ、特に前者はS-アリルシステイン、アホエン、ビニルジチインなどで後者はジアリルジスルフィドやジアリルトリスルフィドなどによるものと考えられています。
血液サラサラ(血流促進)効果
にんにくの大きな薬効に血液サラサラ効果というものがあります。現代人は食の欧米化や生活習慣病の乱れ、ストレスなどから血液がドロドロになりやすくなっており、それは高血圧や動脈硬化などの原因とされています。
にんにくの有効成分であるアリシン等には血液ドロドロの原因となる過酸化脂質や血栓をできにくくし、血液をサラサラにする効果があります。
また、同じくにんにくの有効成分であるスコルジニンには末梢血管拡張作用があり、これも血液サラサラ効果を促進する要素となります。
高血圧予防・改善効果
にんにくを食べると「興奮する(?)イメージ」もあることから血圧が高くなる感じもしますが、実際は血圧を低下させる作用があり、高血圧の予防・改善効果が期待できます。
血圧を下げる主な要因はにんにくの持つ血液サラサラ効果によるものです。血流が良ければ血圧は上がりにくいからです。
また、にんにくに含まれるイオウ化合物やアデノシンといった成分には血管の平滑筋を弛緩させる(つまり血管を拡張する)効能があり、これも血圧を下げる要因となっていると考えられられています。
その他にも、にんにくに含まれるカリウムやカルシウム、マグネシウムなども血圧を下げる作用があり、それらの相乗効果により高血圧の予防・改善効果が期待できるとされます。
動脈硬化予防・改善効果
にんにくの動脈硬化に対する効果はドイツの政府機関であるコミッションE(薬用植物を医薬品として承認する国営の評価組織)で認められており、実際の治療に利用されています。
また、同様にハーブにおけるヨーロッパEU統一指標の機関であるESCOP(ヨーロッパ植物療法科学協力機構))も動脈硬化に対するにんにくの効果を認めています。
にんにくの動脈硬化予防・改善効果はにんにくの持つ悪玉コレステロールや血栓、活性酸素を抑制する効能によるものと考えられています。これらの効能によって動脈硬化の原因となる過酸化脂質ができにくくなるからです。
にんにくは動脈硬化の中でも生活習慣病と関わりが深いとされるアテローム性動脈硬化に効果が期待できると考えられています。
冷え性改善効果
にんにくは冷え性に効く食材として紹介されることが多くありますが、実は研究論文等でにんにくの冷え性改善効果に言及しているものはあまり多くありません。
そもそも「冷え」とは東洋医学な概念であるため、科学的な見地から効果性を証明するのは難しいのかもしれません。
しかし、にんにくが冷え性に効くと感じている人も多くおり、また、にんにくが冷え性に効果的と言える根拠がいくつかあります。
例えば、にんにくには血液サラサラ効果があるため冷え性の原因の一つとされる血行不良を改善します。そして、末梢血管を拡張する効能もあるため、特に冷えを感じやすい「手足」の血行を良くすると言えます。
にんにくにおける冷え性改善効果は科学的な背景が薄いので信用性が高いとは言えませんが、論理的には効果を期待できるレベルにあると思われます。
食欲増進・食欲不振改善効果
にんにくは中華料理からイタリア料理、フランス料理に至るまで様々な料理に利用される非常に人気のあるスパイスです。にんにくが多くの料理で利用される最大の要因はにんにくの香りに”食欲をそそる”効果があるためです。
”食欲をそそる”効果というのは食欲増進効果もしくは食欲不振改善効果と同じ意味を持ちます。
この効果は健康とはあまり関係の無いように思われますが、栄養価が高くてもあまり美味しいと思わない食物を食べれるようになったり、食欲が無い時にも栄養を摂ることができるようになる可能性があると言うことは健康にとって最大の効果と言えます。
消化促進・消化不良改善効果
にんにくには食欲増進だけでなく、消化不良を改善し消化を良くする効果があります。
にんにくの有効成分であるアリシンは胃の粘膜を刺激し、胃の働きを活発にしたり胃液の分泌を促進するなど消化活動を活発にする効果があります。またアリシンにはタンパク質を分解し、消化吸収を促進する効果もあります。
さらに、アリシンが持つ殺菌作用も腸内の悪玉菌を減らし腸の調子を良くするという意味で、消化促進・消化不良改善効果につながると言えます。
しかしながら、空腹時のにんにく摂取や生にんにくの食べ過ぎは、胃を刺激しすぎたり、腸内の善玉菌も殺してしまうため胃痛や消化不良などを招き、逆効果となるので注意が必要です。
便秘・下痢予防・改善効果
にんにくに含まれるアリシンには腸内の悪玉菌を殺す整腸作用が期待できます。また、アリシンは胃腸を刺激し、蠕動運動を活発にする効能もあるため、便秘や下痢を改善する効果が期待できます。
更に、にんにくには水溶性食物繊維が多く含まれているので、直腸性便秘やけいれん性便秘にも効果的です。蠕動運動を活発にする働きを考慮すると弛緩性便秘にも効果的と考えられ、殆どの常習性便秘に効果が期待できると思われます。
しかしながら、消化促進・消化不良改善の場合同様、空腹時のにんにく摂取や生にんにくの食べ過ぎは胃を刺激しすぎたり腸内の善玉菌を殺してしまうため、逆に便秘や下痢が悪化する可能性があるので注意が必要です。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍予防効果
胃潰瘍や十二指腸潰瘍の主な原因は、胃腸に感染し生息するピロリ菌という細菌ということが分かっています。
ピロリ菌は胃酸の中でも生存できるほど生存力が強く、排除するためには基本的に専門の治療が必要となりますが、ブロッコリースプラウトなど一部の食品にはピロリ菌を抑制する効果があることが分かっています。にんにくもピロリ菌を抑制する食品の一つと言われています。
にんにくに含まれるアリシンの抗菌・殺菌作用やS-アリルシステイン(SAC)によるピロリ菌の毒素を中和・抑制する作用が胃潰瘍や十二指腸潰瘍の抑制効果に役立っていると考えられています。
しかし、一方で経口摂取によるにんにく摂取はピロリ菌感染に効果が無いという報告も少なからずあります。にんにくの胃潰瘍に対する効果性はまだ研究段階と考えた方がよいかもしれません。
食中毒予防効果
にんにくには強力な食中毒予防効果があるとされます。これはにんにくが持つ抗菌・殺菌作用によるものです。にんにくの抗菌・殺菌作用は食中毒の原因となるカンピロバクターなどの細菌に対しても効果的と言われます。この効果は大腸菌O-157に対しても有効と言われる程強力です。
この抗菌・殺菌作用は主ににんにくに含まれるアリシンによるものですが、アリシンが変化したジアリルジスルフィドやアホエンなどのイオウ化合物にも抗菌・殺菌力があります。ですので、どのような形であれ、生ものを食べる時はにんにくを添えると食中毒予防の効果が期待できます。
肝機能強化・肝臓障害改善効果
肝臓は消化や栄養素の代謝、解毒など様々な働きを持つ臓器です。にんにくの肝臓に対する効果は昔から知られていました。
にんにくの肝臓に対する効果の背景には肝臓の負担を軽くすること及び肝臓を保護する働きがあります。その結果、肝機能強化や肝臓障害の改善効果が期待できるのです。
例えば、肝臓における糖質の代謝にはビタミンB1が欠かせませんが、にんにくに含まれるアリシンにはビタミンB1の補給し糖質の代謝を促進させる働きがあります。
また、アリシンやアリシンが変化したジアリルスルフィドなどには殺菌・抗菌作用及び解毒作用があり、肝臓の解毒処理の負担を軽減します。
更に、にんにくの抗酸化作用は肝臓の酸化ストレスから細胞を守ったり、肝炎や肝硬変の一因となる過酸化脂質の発生を軽減する働きがあります。
二日酔い予防・改善効果
二日酔いには「にんにく注射」が効果的と言うのを聞いたことがあるかもしれません。実際にはにんにく注射にニンニクは入っていませんが、ニンニクと似た成分(ビタミンB1誘導体等)が含まれておりニンニクのような効果が得られるようにしています。
つまり、にんにく注射が二日酔いに効くということはニンニク自体も二日酔いに効果的と考えられているわけです。
その仕組みはこうです。アルコールが体内に入るとそれを代謝するために大量のビタミンB1が必要となり、ビタミンB1が不足すると体内にアルコールが残り二日酔いの原因となります。
にんにくに含まれるアリシンはビタミンB1の供給や持続性を高めるため、アルコール代謝を促進させる効果があります。
また、にんにくの持つ解毒作用や抗酸化作用などは肝機能を補助するため、更にアルコールの代謝機能を向上させ、二日酔いの予防や改善を促すのです。
尚、にんにくにもビタミンB1は含まれていますが、一緒に豚肉などビタミンB1を多く含む食品を食べるとより効果的になります。
癌(ガン)予防・抑制効果
にんにくの効果・効能で最も注目されているのは癌(ガン)に対する作用かもしれません。
にんにくの癌(ガン)に対する効果・効能が広く知られるようになったのは、アメリカ国立癌研究所 (NCI) によるデザイナーフーズプロジェクトでにんにくが「癌(ガン)に効果のある野菜」としてトップランクにあげられてからです。
実際ににんにくの癌(ガン)に対する効果性を報告する研究発表は多々あり、特に胃がんと大腸がんに関するものが多くあります。逆に肺がんや乳がんに対してはあまり効果が無いという見解があります。
癌(ガン)に対する効能の多くはアリシンが変化したイオウ化合物によるものです。その中のジアリルジスルフィドやジアリルトリスルフィドには、癌細胞の増殖を抑制し、癌細胞を正常化に導く働きが確認されています。
同様にS-アリルシステインには癌細胞を攻撃するNK細胞を活性化する作用があり、アホエンには腫瘍の増殖を抑える効果があるとされています。更に、にんにくの抗酸化作用も癌(ガン)の予防に大きく作用すると考えられます。
しかしながら、現段階でにんにくの効能は研究段階であり、効果があったとしても癌(ガン)を予防・抑制するに留まり、治療できる程ではないようです。
アンチエイジング(老化防止)効果
にんにくのアンチエイジング(老化防止)効果は主に2つあります。一つはにんにくに含まれるイオウ化合物やビタミンEなどによる抗酸化作用です。
シワやシミ、白髪や白内障など老化に関わる症状には活性酸素が大きく関わっています。これを除去する働きが抗酸化作用です。
もう一つは血管の健康を保ち血流を良くする作用です。血管の衰えは動脈硬化等の原因となるだけでなく、血流を悪くして老化の原因となります。
にんにくに含まれるアリシンなどの成分は、コレステロールを抑制したり血栓や過酸化脂質をできにくくして血管が衰える原因を低減します。
血管が健康を保ち血流が良くなることは、体中への栄養供給と老廃物の回収が促進されるということです。これは新陳代謝を活発にすることでもあるので、ある意味最強のアンチエイジングと言えるかもしれません。
糖尿病予防・改善効果
にんにくの糖尿病への効能は主に糖代謝促進を根拠とする場合が多いようです。糖尿病は摂取した糖質を代謝しきれず、血液中の糖濃度が高くなる病気です。
通常、糖質は代謝されてエネルギーに変換されるのですが、この時に欠かせないのがビタミンB1です。ビタミンB1が不足すると糖質を代謝できなくなります。
にんにくの有効成分であるアリシンはビタミンB1と結合してアリチアミンに変化し、ビタミンB1の吸収と持続性を高めます。その結果、糖質の代謝を促進し糖尿病の予防・改善に役立つというわけです。
その他、にんにくは糖尿病改善に最も有効なインスリンの分泌を促進するという報告もあるようですが、その一方、経口摂取では糖尿病に対する効果は無いという研究報告もあります。
いずれにせよ、糖尿病に対するにんにくの効果は間接的かつ限定的なものという意見が多いので過剰な期待は禁物です。
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