抗菌、殺菌及び解毒を行う効能
にんにくには非常に強力な抗菌・殺菌作用があります。その効能は体内だけでなく体外(皮膚)の細菌やウィルスにも効果を発揮します。
スゥエーデンの実験では1日1200mgのにんにくを与えられた被験者は、そうでない被験者と比較して明らかにダニに刺された数が少なかったという記録があります。これは簡単な一例ですが、にんにくと抗菌・殺菌に関する研究報告は他にも多々あります。
にんにくが持つ抗菌・殺菌における効能の仕組み
にんにくが持つ抗菌・殺菌作用といった効能の仕組みはにんにくの有効成分であるアリシンにあります。この抗菌・殺菌作用は元々は害虫や細菌から守るために備えられたにんにくの自己防衛機能なのです。
アリシンの抗菌・殺菌力はウィルスやチフス菌や淋菌、コレラ菌、サルモネラ菌など様々な病原菌を殺菌・抑制することが知られており、最近では胃潰瘍の原因菌であるピロリ菌に対しても有効であるという報告もあります。
アリシンが分解してできるジアリルスルフィド(二硫化アリル)にも抗菌・殺菌作用があり、カビや細菌、微生物の成長を阻害する作用があります。食中毒の原因菌であるカンピロバクターに対しては、通常使用される抗生物質の1000倍の効力があるという論文報告もあります。ジアリルスルフィドは抗菌剤として手術などでも利用されています。
これらにんにくの持つ成分の殺菌力が強力で、12万倍に薄められたにんにくの精油がチフス菌やコレラ菌を殺したという報告もあるほどです。
更にアリシンとは別のにんにくの有効成分であるアホエンにも殺菌作用があり、水虫やカンジダ症の治療に役立つとされます。
そして近年の弘前大学の研究報告によるとにんにくは大腸菌O-157や炭疽菌などにも有効であると示唆されています。
その他、水を入れたたらになどの容器にすりおろしたにんにく(1片/100ml目安)を入れるだけでも体や食器等の消毒薬になります。
このようなにんにくの抗菌・殺菌作用は風邪やインフルエンザ、食中毒など様々な病原菌性の疾患を予防・改善するのに役立つと考えられています。
尚、にんにくには紫皮のものと白皮のものがありますが、抗菌・殺菌作用は紫皮のもののが強く、生のニンニクと加熱調理したニンニクでは生のニンニクの方が抗菌・殺菌力が強力とされます。
にんにくの抗菌・殺菌作用における注意点・副作用
にんにくの抗菌・殺菌作用は強力な為、副作用が起きる可能性があります。顕著な例としては、にんにくの強力な殺菌作用が善玉菌である腸内細菌も殺してしまうことがあります。
腸内細菌が減少すると消化不良や胃痛が起きたり、ビタミンの生産に支障がでて口角炎や皮膚炎が起こる恐れがあります。
これは生のにんにくを大量に食べたり、長期間持続的に食べると起きる可能性があり、適量(生であれば1片/1日、加熱したものであれば2~3片/1日)であれば基本的には問題ありません。
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