高血圧予防・改善
にんにくと言うとスタミナアップとか滋養強壮のイメージがあるので血圧を上げる感じがしますが、実際には血圧を下げる効能があります。
逆に低血圧の人に対しては血圧を上げる効果があったという研究報告もあり、にんにくは血圧を下げる効能があるのではなく、血圧を正常化させるホメオスタシス(恒常性)効果があるという考えを持つ研究者もいます。
高血圧とは?
高血圧とはその名の通り、血管にかかる圧力が高くなる病気です。一般に収縮期血圧(最高血圧)が140mmHg以上もしくは拡張期血圧(最低血圧)が90mmHg以上続く状態を高血圧と呼んでいます。
高血圧は生活習慣病の一つで、自覚症状はあまりありませんが心筋梗塞や脳梗塞など死に至る病気の発生原因となるので放置は禁物です。
高血圧が健康に与える影響?
前述の通り高血圧は自覚症状が無い場合が殆どなので、健康が害されていると感じることはあまりないかもしれません。
人によっては頭痛やめまい、肩こりなどの症状が出る人もいるようです。
しかし、高血圧の本当に恐ろしいところは自覚症状が無いということです。高血圧をそのままにしておくと、動脈硬化になりやすくなり、さらには心筋梗塞や狭心症などの心臓病、脳梗塞や脳出血など脳卒中になり、最悪の場合は死に至ります。
このように高血圧は自覚症状の無いまま死につながる病気のリスクが高まっていくということで「サイレント・キラー」とも呼ばれています。
高血圧の原因
血圧が高くなる直接の原因は「心拍数の増加」「血管の弾力性の低下」そして「ドロドロ血液」などです。血管にコレステロールやマクロファージが蓄積することにより血管が細くなることも高血圧の原因になります。
これらの高血圧の個々の原因は他の原因を誘発する要因にもなるため、高血圧の状態を加速度的に悪化させる傾向があります。
しかし、そもそもこれらがどうして起こるか高血圧の根本原因はまだ完全には解明できていません。諸説ありますが、遺伝や生活習慣、食習慣、ストレス、老化などが複合的に重なって原因となると考えられています。
にんにくの高血圧予防・改善効果の仕組み
にんにくは高血圧の根本原因を解決することはできません。しかし、にんにくの持つ次のような効能により血圧を下げ、高血圧の予防や改善を効果を期待することはできます。
- 血管を拡張する効能
- コレステロールを低下させる効能
- 血液をサラサラにする効能
血管を拡張する効能
にんにくを食べると血管が拡張するという現象は確認されていましたが、その仕組みは諸説あります。にんにくに含まれるアリシン、ジアリルスルフィド、アデノシンといった成分が血管平滑筋を弛緩させることで血管を拡張させるという説やにんにくに含まれるスコルジニンが末梢血管を拡張させるという説などがあります。
有力な説は、にんにくに含まれる硫黄化合物が血液中の赤血球と反応して放出される硫化水素が血管を拡張するという説です。
いずれにせよ、血管が拡張すれば当然、血流が良くなり血圧は下がります。その意味でにんにくにの血管拡張作用は高血圧予防や改善を促進すると言えるのです。
コレステロールを低下させる効能
にんにくに含まれるS-アリルシステイン、アホエン、ビニルジチインといった成分は体内におけるコレステロール合成に必要な補酵素の働きを妨げることで、コレステロールが生産されるのを抑制します。
また、にんにくから産出されるジアリルジスルフィドやジアリルトリスルフィドといった成分は、肝臓に蓄えられたコレステロールの排出を促進することで体内のコレステロール量を減らします。
コレステロールを抑制することは、血圧を低下させる直接の要因にはなりませんがコレステロールが血管内に溜まり血管が細くなることを軽減することで血圧が高くなるのを防ぎます。
血液をサラサラにする効能
にんにくには血栓をできにくくする抗血栓作用があります。この効能がにんにくの血液サラサラ効果の中心です。更に、にんにくには活性酸素を除去する抗酸化作用もあるので、酸化による血液ドロドロを軽減します。
また、前述した血管を拡張する効能やコレステロールを低下させる効能も血液サラサラに寄与します。血液がサラサラになることで、血管への圧力が低下し高血圧を予防・改善することができます。
これらにんにくの効能が複合的に高血圧の直接的な要因を抑制し、血圧が高くなる悪循環を防ぐことが高血圧の予防・改善効果となると考えられています。
にんにくにおける高血圧予防・改善効果の留意点
にんにくは血管への圧力を軽減するという直接的な高血圧の要因を軽減することは期待できますが、その効果はあくまで限定的で、しかも根本の原因は解決しません。
高血圧の予防や改善は基本的に「適度な運動」「塩分を控えたバランスのよい食事」「規則正しい生活」といった生活習慣が重要です。
にんにくに高血圧の予防や改善効果は、あくまで補助的なモノと考えましょう。
adsense
関連記事
-
胃潰瘍・十二指腸潰瘍予防
にんにくは胃潰瘍、十二指腸潰瘍の予防や改善に効果があると言われますが、残念ながらそれはシャー
-
癌(がん)予防・抑制
にんにくが健康や医療においてもっとも期待されているのは癌(がん)に対する効果だと思われます。
-
血栓を作りにくくする効能
にんにくに血栓を抑制し血流を促進する効能があるということは広く知られています。欧米ではこのに
-
肝機能強化・肝臓障害予防
にんにくは肝臓に効果のある食べ物として紹介されることが多くあります。にんにくが肝臓に良いとい
-
消化促進・消化不良改善
にんにくの独特の香りや味にはある種の刺激があるため、にんにくは胃腸や消化に悪い食べ物というイ
-
血液サラサラ(血流促進)効果
血液サラサラ効果はにんにくの代表的な効能です。ニンニクの効能と言うと体力増強や滋養強壮などの
-
抗菌、殺菌及び解毒を行う効能
にんにくには非常に強力な抗菌・殺菌作用があります。その効能は体内だけでなく体外(皮膚)の細菌
adsense
- PREV
- 動脈硬化予防・改善
- NEXT
- 血液サラサラ(血流促進)効果