血栓を作りにくくする効能

にんにく血栓を抑制し血流を促進する効能があるということは広く知られています。欧米ではこのにんにくの効能を「Blood-thinning」と言い、手術前のにんにく摂取には注意が必要とされていますし、中国では血栓症の治療ににんにくの絞り汁を点滴することもあるそうです。

血栓とは?

血栓とは血管が傷ついた時に止血の役目を持つ血の塊のようなものです。血栓自体は人間にとって必要不可欠な防御機能ですが、血液が悪玉コレステロールによってドロドロの状態だったり運動不足などで血流の状態が悪かったりすると不要な血栓ができやすくなります。

また、通常は血管内に血栓ができても傷が完治すると溶けて無くなります。しかし、悪玉コレステロールよってできた血栓や老化によって血栓を溶かす力が弱くなると、血管が詰まってしまったり、血栓が一気に剥がれ、その血栓の塊が心臓や脳の血管に詰まって致命的な病気になることもあります。

このように不要な血栓は血栓症や高血圧や動脈硬化、心筋梗塞や脳梗塞といった深刻な病気の要因となるのです。

にんにくが血栓を作りにくくする効能の仕組み

血栓の正体は血小板とフィブリンという繊維状のたんぱく質です。血小板は傷ついた血管を見つけると止血するために傷口に付着します。しかし通常の血小板の量では傷口を塞げないので、傷口に付着した血小板は他の血小板をどんどん呼びこみ大きな固まりを形成します。更にその上をフィブリンが覆いかぶさります。これが血栓です。

一方、にんにくにはアリインという成分が含まれていますが、にんにくを切ったり潰したりするとこのアリインはアリナーゼという酵素と反応してアリシンという成分に変化します。アリシンはニンニク特有のニオイの素となる成分ですが、アリシン自体も不安定な物質で、更にいくつかの成分に変化します。

血栓ができる過程で「血小板が他の血小板を呼びこむ」とありますが、一般的にこの状態を「血小板凝集」作用と言います。この血小板凝集にはアラキドン酸、アデノシンニリン酸 、アドレナリン、トロンビン、コラーゲンといった成分が作用していますが、アリシンから変化して発生する、メチルアリルトリスルフィド(MATS)、アホエン、ビニルジチイン、アリルメチルスルフィド、ジメチルトリスルフィドといった成分にはこれら血小板凝集に作用する成分を抑制する働きがあります。

つまり、にんにくの成分であるメチルアリルトリスルフィド(MATS)、アホエン、ビニルジチイン、アリルメチルスルフィド、ジメチルトリスルフィドといった物質があると血小板が他の血小板を呼び込みにくくなり血栓ができにくくなるのです。これがにんにくが血栓をつくりにくくする効能の仕組みです。

にんにくにおける抗血栓作用の注意点・副作用

にんにくに抗血栓作用があり、それが高血圧や心臓病などのリスクを軽減しますが、血栓を作りにくくすることは人間本来の自己防衛機能を阻害することですから本質的には良いことではありません。

しかしながら、生活習慣の乱れや栄養の偏りによって現代は血液がドロドロになり血栓ができやすい体質の人が増えています。そういった意味でにんにくの抗血栓作用は効能として考えられています。

また、にんにくに含まれるメチルアリルトリスルフィド(MATS)、アホエン、ビニルジチイン、アリルメチルスルフィド、ジメチルトリスルフィドといった成分は微量ですので、通常の生活に支障がでるほど血栓ができなくなるといった心配は無用のようです。

多くの場合は血圧が下がったり、血行がよくなったり、動脈硬化が改善するなどの良好な結果がでるようです。

とはいえ、抗血栓作用はあくまで対処療法であることを認識しておきましょう。心臓病など本質的に血栓に伴う病気のリスクを軽減するためには「規則正しい生活」「バランスの良い食事」と「適度な運動」が絶対的な基本です。

その他、海外では手術や出産前のにんにく摂取は出血を促進するため注意が必要であると警告するところもあるようです。

大量ににんにくを食べたり、長期間持続的に食べたりした場合は出血が止まりにくくなる可能性があるとのことですので気を付けましょう。

また、血液凝固系の障害がある人は禁忌とされている他、何らかの病気で抗血液凝固薬や抗血小板薬を服用している人はにんにくの摂取を控えた方がよさそうです。

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