糖尿病予防・改善

にんにく糖尿病の予防や改善に効果的と言われることがあります。マウスを使った実験でも効果性を示唆する報告があります。

その一方、にんにくを食べることで糖尿病を予防したり改善することに否定的な研究報告も多く、明確に効果は無いとするものもあり、現在ではこちらの見解の方が優勢のようです。

確かに、ニンニクが糖尿病に効果があるとする根拠の多くはにんにくの持つ「糖代謝促進」と「インスリンの分泌促進」の二つの効能ですが、両者ともニンニクだけでは成し得ない効能である上に、糖尿病への影響もそれほど大きいものとは思えません。そのことを考慮するとにんにくの糖尿病に対する効果は極めて限定的なものと考えられます。

とはいえ、実際の影響範囲は別として論理的には糖尿病に対する効果性の余地は残されています。

ここでは糖尿病の内容を確認しながらにんにくの糖尿病への効果性を検証していきたいと思います。

糖尿病とは?

糖尿病とはインスリンというホルモンの分泌や働きに不具合が生じることで、体のエネルギー源となる糖(ブドウ糖)がエネルギーとして利用できなくなる病気です。

糖尿病には膵臓の病気による1型と生活習慣が原因となる2型がありますが、両者とも直接の原因はインスリンの不具合によるものです。

糖尿病になると疲れやすくなったり、立ちくらみや喉が渇く、尿が増えるなどの違和感を感じるようになります。糖尿病が進行すると神経異常や網膜症、糖尿病腎症といった合併症になり日常生活に大きな影響を及ぼします。

糖尿病の原因

1型糖尿病の原因は膵臓にあるインスリンをつくる細胞がウィルス感染などによって障害を起こし、インスリンが分泌されなくなることです。

2型糖尿病の原因は遺伝的要素が強いと言われていますが実は明確になっていません。一般的にはカロリー(糖質)の摂り過ぎが主な原因と言われてます。

ごく簡単に言うと、糖質を摂り過ぎるためブドウ糖が増え、ブドウ糖を制御するインスリンに負担がかかり、その状態が継続することによりインスリンの働きに不具合が生じて糖尿病になるということです。

糖尿病の予防や改善に食事制限や適度な運動が推奨されるのは、糖質の摂取や消費をコントロールするためです。

にんにくが糖尿病に効果的と言われる理由

にんにくには直接糖尿病を予防したり改善する効果はありません。にんにくが糖尿病に効果的と言われる理由は主に「糖代謝を促進する効能」によるものです。また、にんにくには「インスリン分泌を促進する効能」もあると言われることがあり、それも糖尿病の予防や改善に効果的と考えられています。

にんにくの糖代謝を促進する効能

糖尿病はインスリンが機能しなくなることにより、血液への糖放出抑制や細胞における糖の利用促進が低下することにより、血液中の糖分(血糖値)が高くなる病気です。

インスリンが血液への糖放出を抑制するのは、エネルギーに変換されず、またグリコーゲンとして肝臓に貯蔵されない余った糖です。

これは本来必要以上の糖ですが、糖がうまくエネルギーに変換できなかった場合もこの状態が助長されます。

糖をエネルギーに変換することを「糖代謝」と言います。

糖代謝には色々な物質を必要としますが、その物質が不足することでうまく糖代謝が行われないことがあります。

特に現代の食生活では糖質を大量に摂取するので、糖よりも糖代謝に必要な物質が先に不足してしまう傾向にあるのです。

その不足しやすい物質の一つがビタミンB1です。

ビタミンB1は水溶性で熱に弱いため調理過程で失われやすく、摂取しにく成分です。また、摂取できたとしても腸で吸収されにくい上、必要以上のビタミンB1は排出されてしまうため体内に保存しておくことができません。つまり、日々ビタミンB1を摂取し続ける必要があるのです。

このような理由からビタミンB1は常に不足状態にあります。そのため、糖代謝が低下して糖尿病を促進する一因になっていると考えられます。

にんにくにはこのビタミンB1の吸収を高め、体内に保存させておく効能があります。

にんにくに含まれるアリシンはビタミンB1と結合するとアリチアミンという物質に変換します。アリチアミンはスーパービタミンB1とも言われ、脂溶性で熱に強く調理過程でも失われにくいビタミンB1になります。

また、腸からの吸収率も上がり、そして必要量以上摂取しても血液中で保存ができるというビタミンB1不足を解消する成分なのです。

つまり、にんにくを食べることで不足しやすいビタミンB1を供給し、糖代謝を円滑に機能させることで、血液中に放出される糖を減らすことにつながるのです。

これがにんにくが糖尿病に効果が期待できるという最大の理由です。

インスリン分泌を促進する効能

糖尿病の原因にインスリン分泌の不足が関係しているのは何度も述べた通りですが、にんにくにはこのインスリンの分泌を促進する効能があると言われます。

近年の研究報告によるとインスリンの分泌には亜鉛が深く関わっていることが分かっています。インスリンは膵臓内のβ細胞というところで分泌され肝臓に流れこみますが、この時に亜鉛が不足しているとインスリンが分解されてしまい、結果としてインスリン分泌が低下するという現象が確認されたということです。

亜鉛も不足しやすい成分ですが、にんにくにはこの亜鉛も比較的多く含まれているため、この亜鉛不足によるインスリン分泌低下を抑制する働きが期待できるという見解があります。

更に、前述したアリチアミンがビタミンB6と結合することでインスリンを生産するβ細胞を活性化させインスリン分泌を促進するとも言われています。

このようににんにくのインスリン分泌を促進する効能が糖尿病の予防や改善に役立つと考えられていますが、亜鉛をもっと多く含む食材は別にもあることや、アリチアミンによるβ細胞活性作用も確実な情報とは言えず、これらは「可能性を期待する」レベルに留まりそうです。

 

以上、「糖代謝の促進」「インスリン分泌の促進」の二つの理由がにんにくが糖尿病の予防や改善に効果が期待できる理由となります。

どちらも臨床データとしては弱い部分があり、効果性には疑問が残りますが、特に「糖代謝の促進」に関しては少なからず血糖値に影響することは間違いないと思われますので、その意味ではにんにくは糖尿病に何らかの期待はできると考えて良いかと思います。

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