アリインとは?
アリイン(alliin)はにんにくに含まれる最も代表的な有効成分です。にんにくの殆どの効能や効果はこのアリインから変化した物質によるものです。
アリインは硫黄分を含むアミノ酸の一種で、揮発性はありませんが水に溶けやすい性質を持った成分です。またアリシンはシステインの誘導体でもあります。
アリインはにんにくの全成分の内0.5%程度しか含まれていませんが、にんにくの効能や効果、香辛料としての働きなど、にんにくの特長を左右する成分でもあります。
アリインはニンニクの鱗茎内にある葉肉貯蔵細胞という場所に偏在しています。アリインはこの細胞が破壊されるとすぐ別の物質に変化してしまうため、その存在が発見されたのはアリシン(1944年発見)よりも後(1948年発見)でした。
アリインが変化する物質・成分
アリインはにんにくの成分として最もよく知られているアリシンの前駆体です。アリシン自体はにんにくに含まれておらず(状態によって含まれている場合もある)、アリインが変化したものです。
にんにくを切ったりすりおろしたりすると、葉肉貯蔵細胞が壊れてアリインが出てきます。同時に維管束鞘細胞内にあるアリイナーゼという酵素も細胞が壊れることにより出てきてアリインと反応します。
アリインがアリイナーゼと反応すると、アリルスルフェン酸とアミノアクリル酸という物質に分解されます。この内、アリルスルフェン酸がすぐに変化してできるのがアリシンです。
アリインは無臭ですが、このアリシンになった段階であのにんにく特有の強烈なニオイは発します。
そのアリシンも他の物質に反応しやすく、すぐにアリルスルフィド類、アリルメチルスルフィド類、ビニルジチイン、アホエンなどの物質に変化してしまいます。
アリインに期待される効能や効果
アリインに期待できる効能や効果には抗菌・殺菌作用、抗血栓作用、抗酸化作用、疲労回復などがありますが、これはアリインが変化したアリシンやアリシンが更に変化したアリルスルフィド類などの効能・効果と混同されていることが多いようです。
アリイン単体の効能や効果として酸化防止剤としての抗酸化作用があげられることがありますが、それを詳しく言及した文献は少なく、真偽の程は明らかではありません。
基本的にアリインはあくまでアリシンの前駆体という位置づけのようで、現段階ではその効能や効果はあまり研究されていないようです。
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