ビタミンB1の吸収を高める効能
にんにくを食べると元気になると言われますが、これには「ビタミンB1の吸収率を高める」「ビタミンB1の持続性を高める」といったにんにくの効能が大きく関係しています。
ビタミンB1の働き
ビタミンB1には「糖質をエネルギーに代謝(変換)する際の補酵素(潤滑油のようなもの)」としての働きがあります。
これは私達が健康に生活する上で、主に二つの重要な作用をもたらしますす。
一つは純粋に活動するためのエネルギーを生産します。つまり肉体的な元気を出します。もしビタミンB1が不足するとエネルギーがうまく生産できず疲れやすくなります。
もう一つは脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖も代謝するので脳の働きや神経伝達を正常化します。つまり脳機能を高めたり精神的な元気を出します。ビタミンB1が不足すると集中力がなくなったり、イライラやうつ症状などが現れる場合があります。
このようにビタミンB1は肉体的にも精神的にも元気を出すために欠かせないビタミンなのです。
ビタミンB1の性質
前述のようにビタミンB1は元気を出す上で欠かせないビタミンなのですが、体内に摂り入れくい成分としても知られています。
まず、ビタミン類は体内で生産できないので食べ物から摂取するしかありません。またビタミンB1は水や熱に弱く調理過程でどんどん失われていく成分でもあります。更にお菓子やジュースなど糖分を沢山含む食品を摂るとビタミンB1はどんどん失われていきます。
そしてどんなに多くのビタミンB1を摂取しても必要量以上のビタミンは全て体外に排出され貯蔵できません。更に胃腸が弱っていると更に吸収率が落ちると言われます。
この為、絶えずビタミンB1の摂取が必要であり、疲労した時などはビタミンB1の必要量が大きく増します。
このように元気に生活するにはビタミンB1の摂取が非常に重要になるのです。
にんにくのビタミンB1に対する効能
ビタミンB1は摂取しにくく貯蔵もできない成分ですが、にんにくと一緒に摂ることによりこの性質が大きく変化します。
にんにくの薬効成分であるアリシンはビタミンB1と結合するとアリチアミンという物質に変化します。
アリチアミンは脂溶性のため水や熱に強く、調理過程で失われにくくなります。また腸からの吸収率が高まり、ビタミンB1をスムーズに体内に摂り込むことが可能になります。
更に、余分なビタミンB1も排出されず血液中に貯蔵されるためビタミンB1の効果が長時間持続することが分かっています。
このアリチアミンの性質を発見したのは元京都大学の藤原元典教授で、それを製品化したのが栄養ドリンクなどで知られる「アリナミン」です。
ちなみに「アリナミン」の名前の由来はにんにくの学名である「アリウム・サティブム」と「アリチアミン」をかけ合わせたところから来ています。
※現在の「アリナミン」にはニンニクの成分は含まれておらず、アリチアミンと同様の性質を持つ「フルスルチアミン」という成分が使われています。
このようににんにくにはビタミンB1の効能を強力に促進する作用があるのです。
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